この記事のまとめ

リフォームは「一生に一度」ではありません。給湯器はおよそ10〜15年、外壁や屋根も10年前後で塗り替え時期が来ると言われ、一度施工したお客様の家には数年おきに必ず“次の工事”が発生します。

ところが多くのお客様は「前どこに頼んだっけ」で施工店を忘れ、他社に流れます。LINEで顧客リストを持ち、時期の合図・補助金・事例を届けておくだけで、新規獲得よりずっと低いコストで再来を生めます。そして“施工後もつながり続けるリフォーム店”は、地域にまだほとんどいません。

リフォームは「一生に一度」ではない——家は10年ごとに手が入る

「うちはリフォーム屋だから、お客さんは一生に一度きり」。そう思っている経営者は少なくありません。でも、実際の現場を思い出してみてください。お風呂を新しくしたお客様の家には、その数年後に給湯器の寿命が来ます。給湯器はおよそ10〜15年、外壁や屋根の塗り替えも目安として10年前後で時期が来ると言われます。トイレ、洗面、内窓の断熱、親の介護に合わせた手すりや段差解消——。

一軒の戸建てには、20年30年のあいだに何度も手が入ります。つまりお客様は「一度きり」ではなく、放っておいても数年おきに“次の工事”が発生する存在なのです。問題は、その“次”のときに、あなたの会社の名前が思い出してもらえるかどうか。ここに、リフォーム業ならではの大きな取りこぼしが眠っています。

「前どこに頼んだっけ」で、お客様は静かに他社へ流れる

リフォームのお客様の多くは、中高年の戸建て所有者です。5年前にお風呂を任せてくれた60代のご夫婦が、今度は給湯器が壊れて困っている。ここで何が起きるか。

お湯が出ないのは待ったなしですから、ご主人は焦ります。前に頼んだ会社の名刺は、どこかの引き出しに紛れて出てこない。奥さんが「チラシがポストに入ってたわよ」と別の会社を差し出す。あるいは息子さんがスマホで「◯◯市 給湯器 交換」と検索する。——こうして、あなたが丁寧に工事をして満足してもらったはずのお客様が、名前を思い出せないという理由だけで、他社の1件になってしまう。

これは実力の差でも価格の差でもありません。ただ「つながっていなかった」という一点の差です。そしてこの取りこぼしは、業界全体でごく当たり前に起きています。裏を返せば、ここを塞ぐだけで大きな伸びしろになるということです。

名刺やマグネットより、LINEが「顧客リスト」になる理由

これまでも、施工後に名刺を渡す、冷蔵庫に貼れる連絡先マグネットを配る、といった工夫はされてきました。悪くありません。でも数年後、名刺は行方不明、マグネットは冷蔵庫の買い替えとともに消えています。

その点、お客様のスマホに入ったLINEのつながりは、引き出しの奥に埋もれません。工事のお礼のタイミングで「今後のメンテナンスのご案内に使わせてください」とひと言添えて友だち登録してもらえば、それがそのまま消えない顧客リストになります。しかも中高年のお客様ほど、家族との連絡でLINEを日常的に使っています。電話は身構えるけれど、LINEの通知はふと開く。この“ゆるさ”が、リフォームのように検討期間の長い商材とは相性がいいのです。

さらにLINE連携の仕組みを整えれば、点検の日程調整をチャットで自動化したり、「給湯器のことで相談したい」といった問い合わせに自動応答で一次対応したりもできます。少人数の会社で、現場に出ていて電話に出られない——というリフォーム店の実情に、静かに効いてきます。

効く配信は「売り込み」じゃない。“時期の合図”を届けること

ここで多くの人がつまずきます。「配信」と聞くと、キャンペーンや値引きの押し売りを想像して腰が引ける。でもリフォーム客に効くのは、売り込みではなく“そろそろの合図”です。

値引きではなく「あなたの家を気にかけていますよ」という便り。これを季節ごとに送るだけで、次の工事が発生したとき、お客様のスマホには真っ先にあなたの名前が浮かびます。

顔が見える・事例が届く——不安なお客様が“もう一度あなたを選ぶ”仕組み

リフォームのお客様が何より恐れているのは「失敗」「後悔」です。高い買い物で、しかも毎日暮らす家に手を入れる。だからこそ、知らない会社より「顔と実績が分かる会社」を選びたい。

ここで、他社がやっていない差が効いてきます。担当者の顔写真とひとこと、実際の施工事例のビフォーアフター、「先月、隣町の二世帯化リフォームを担当しました」といった現場の様子。これをLINEやホームページで日常的に見せている会社は、地域のリフォーム店ではまだ少数派です。多くは「作りっぱなしのホームページ」で止まっています。

お客様は、便りで担当者の顔を覚え、事例で腕を確認し、補助金の案内で「ちゃんとしている会社だ」と感じる。そうして次の工事のとき、比較検討すらせず「あの人にまた頼もう」となる。これは新規のお客様には絶対に真似できない、既存客だけが持つ信頼の蓄積です。

新規1件を追うより、2件目のほうが安い

チラシ、ポスティング、広告——新規のお客様を1件獲得するには、相応の費用と手間がかかります。一方、一度満足してもらった既存のお客様に“次”を頼んでもらうのは、便り一本の話です。一般に、新しいお客様を獲るコストは、既存のお客様に再来してもらうコストよりずっと高くつくと言われます。

しかもリフォームの既存客は、単価が下がりません。お風呂の次に外壁、その次に二世帯化と、むしろ工事の規模が大きくなっていくことすらあります。さらに満足したお客様は、ご近所やご親戚に「うちはあそこに頼んでるのよ」と紹介してくれる。1人の生涯客が、2件目・3件目と、紹介という新規まで連れてくる。新規獲得のアクセルを踏み続ける前に、いま一度施工したお客様とつながっているか——そこを見直す価値は十分にあります。

まず何から?——現場でできる小さな一歩

大がかりな準備は要りません。次の引き渡しのときから、こう伝えてみてください。「今後の点検や補助金のご案内に使いますので、よかったらLINEでつながってもらえますか」。工事の満足度が高い引き渡し直後は、登録してもらいやすい絶好のタイミングです。

そして過去のお客様には、点検の便りや季節の合図を口実に、少しずつ声をかけていく。完璧な配信の仕組みをいきなり作る必要はなく、「つながっておく」ことから始めれば十分です。仕組みは、つながった相手が増えてから育てていけばいいのです。

よくある質問

うちのお客様は高齢者が多く、LINEを使っていない人もいます。それでも意味がありますか?

全員でなくて大丈夫です。中高年のお客様もご家族との連絡でLINEを使っている方は多く、引き渡し時にひと言添えれば一定数は登録してくれます。まずは登録してくれた方だけでも“つながっている顧客リスト”になり、数年後の再受注につながります。使っていない方には従来どおり電話やハガキで、と併用すれば十分です。

配信すると「しつこい」と嫌がられませんか?

売り込みばかりだと嫌われますが、点検の目安時期のお知らせや補助金情報、季節の注意喚起といった“お客様の役に立つ便り”は、むしろ感謝されます。頻度は月1回程度を目安に、値引きの押し売りではなく「あなたの家を気にかけています」という内容を中心にすると、離脱されにくくなります。

ITに詳しい社員がいません。運用は難しくないですか?

最初は「引き渡し時に登録してもらう」「季節ごとに一斉に便りを送る」だけで始められます。予約の日程調整や問い合わせの自動応答といった仕組みは、慣れてから少しずつ足せば大丈夫です。設定や運用の入口は専門会社に相談しながら整えると、少人数の会社でも無理なく続けられます。

過去に施工したお客様には、今から連絡しても遅いですか?

遅くありません。むしろ施工から5〜10年経ったお客様は、給湯器や外壁など“次の工事”の時期が近い層です。点検のご案内や補助金情報を口実に「その後お変わりありませんか」と声をかけるだけで、掘り起こしのきっかけになります。名簿が残っているお客様から順に始めてみてください。

ホームページとLINE、どちらを先に手を付けるべきですか?

どちらか一方というより、事例や担当者の顔を見せる“見せ方”と、つながり続ける“仕組み”はセットで効きます。まずは今あるお客様とLINEでつながることから始め、事例や補助金情報を発信する受け皿としてホームページを整えると、両方が連動して再来と紹介を生みます。現状に合わせて優先順位を相談するのがおすすめです。

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